化学処理による透明紙技術(ドリープ)
半透明性があり、耐水・耐油性や高い強度を持った紙をつくる
紙はセルロース繊維同士が絡みあって出来ており、繊維間の微細な隙間には空気が含まれています。
この空気とセルロース繊維の屈折率の違いから光が複雑に屈折する為、紙は白く見えています。
パーチメント紙は専用の原紙を硫酸含浸することでセルロース繊維表面がアミロイド化して半透明のゲル状になった結果、パルプ繊維同士が密着し空隙が無くなることで半透明な紙となります。
また、繊維間の微細な隙間が塞がれることで耐水性や耐油性も得られます。
技術の特徴
一般的な紙と比較して半透明な外観の紙となります。
パルプ繊維間の隙間がなくなることで水や油が浸透し難い紙となります。
アミロイド化に伴いパルプ繊維同士が密着する為、引張強度や表面強度が高い紙となります。
紙の表面強度が高く繊維が剥がれ難い為、弱剥離性があります。
あらかじめ原紙に硫酸含浸を阻害する物質で図柄を印刷しておくことで、硫酸含浸後にその図柄の部分のみを白いまま残す事ができます。(アートドリープ)
技術の原理とポイント
技術の原理
硫酸含浸することでセルロース繊維表面がアミロイド化して半透明のゲル状になり、繊維同士が密着し空隙がない紙となります。
硫酸含浸後は苛性ソーダによる中和や水洗を行い、最後に乾燥することで完成します。
【工程】
原紙 → ①硫酸含浸 → ②水洗 → ③中和
→ ④水洗 → ⑤乾燥 → パーチメント紙
硫酸を含浸させる為の専用の原紙を使用しています。
硫酸の含浸が不十分だと十分な品質(透明性、耐水性・耐油性など)が得られない為、原紙の種類に応じて適切な条件(硫酸含浸方法や速度等)を選択し加工を行います。

技術のポイント
耐水・耐油性と独特の模様表現を持つパーチメント紙
パーチメント紙はセルロース繊維の隙間をアミロイドで埋めているため、耐水性・耐油性が高く、その特長を生かして食品の分野で幅広く活用されています。
(ドリープW、アートドリープ薄口は食品衛生法に基づく試験に合格しています。)
また、予め原紙に硫酸の含浸を阻害する物質で図柄を印刷しておくと、その硫酸含浸後に図柄絵柄の部分だけが半透明にならずに白いまま残す事ができます。
印刷とは違い、盛り上がったように風合いのある模様が現れますので、一般的な印刷とは異なった風合いや高級感が得られます。
毛羽立ちが少なく剥離紙としても使用可能
紙の表面の繊維が被覆されているため毛羽立ちがないパーチメント紙は、弱剥離性があるとともに表面強度も高いため、剥離紙としても利用されています。紙そのものの剥離性を利用するため、シリコーンを塗工するなどの処理をしなくてもそのまま剥離紙とすることができます。
実現できる製品特性
半透明性
耐水性・耐油性
高強度
剥離性
意匠性
主な用途・適用例
食品包装
書籍カバー
紙管カバー原紙
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