オンマシン塗工技術
抄紙と一体で機能設計を実現する塗工技術
紙はパルプ繊維の集合体であり、紙の表面には無数の凹凸が存在している。
水系塗料を紙の表面に塗工することによって、非塗工紙では達成することが難しい、高い平滑性を付与することができるだけでなく、パルプ繊維の隙間を埋めることによるバリア性の付与や、塗工する薬品が持つ様々な特徴を紙に付与することができる。
技術の特徴
ロジン系サイズ剤(松脂)、AKD(アルキルケテンダイマー)、パラフィン系ワックスを紙の表面に塗工することで、紙の耐水性(にじみ具合)を制限することが出来る。
カオリン、炭酸カルシウム、雲母等、各種顔料を紙の表面に塗工することで、グロス性付与、白色度の向上、印刷時のインキの沁み込み具合を制限することができる。
フッ素・非フッ素系の耐油剤や、ワックス系・シリコーン系・高分子系(増膜性)耐水剤等を紙の表面に塗工することで、耐油性・耐水性を付与することができる。
澱粉、PVA、ラテックス(アクリル系、ウレタン系、スチレンブタジエン系)を紙の表面に塗工し、バリア層を形成することで、擦れに対し傷つきにくくすることができる。
技術の原理とポイント
技術の原理
抄紙機のドライパートに設置されたサイザーにより、紙の形成と同時に塗工を行います。塗工液を紙表面だけでなく内部まで浸透させることで、サイズ性や強度などの機能を効率的に付与できます。
サイズプレス塗工
塗工液を満たしたロール間に紙を通し、圧力によって紙内部まで塗工液を浸透させる方式です。
ゲートロール塗工
複数ロールにより塗工液を紙表面へ均一に転写する方式で、高粘度塗料にも対応可能です。

技術のポイント
水系塗料の塗工技術について
紙の表面に薬品を塗るプロセスは、人間で言えば「化粧のステップ」を想像するとイメージしやすいかもしれません。
●プライマー(サイズ)→ ファンデーション(顔料+樹脂)→ コンシーラー(高機能薬品・バリア)→ パウダー(ワックス)
必要とされる機能性に対し、薬品を厳選したり、塗り重ねたりすることで、美しく機能的な“素肌(紙)”が完成します。
塗工技術について
紙に様々な機能性を付与することができる塗工技術ですが、使用する塗料の種類、塗工量、粘度、成膜性の違い等によって、最適な塗工方法や条件が異なります。
また、塗工紙については紙の収縮度合の違いからカールが発生や、乾燥不足によるブロッキング等の問題が発生することもあるため、不具合を抑えるために、塗工条件だけでなく、原紙の抄造条件全体として最適な条件を検討するよう取り組んでいます。