王子エフテックスとは

薄葉紙技術

厚みと密度

薄葉紙の抄紙のポイントは、不透明度を高める填料を紙に留める技術

東海工場/岩渕製造所 研究技術部 富田 敬太郎

薄い紙を造る。
しかしそのとき紙に求められる機能は薄さだけではありません。辞書などに利用されるその紙は、より薄くして、なおかつ印刷しても文字などが透けないよう、不透明度を確保する必要があります。不透明度を保つためには、鉱物の填料をパルプに加えるのですが、ポイントとなるのが紙の中に填料を留める技術になります。
そのため薄葉紙の製造では、填料が流れ出ないように定着させる技術と脱水技術を工夫することによって、填料が偏らず表裏差がなくしかも不透明度を高くすることができます。
では填料をただ加えればいいのかというと、それだけではありません。
薄い紙の抄紙では、填料のバランスも重要になります。入れすぎると紙が破けやすくなりますし、インクを必要以上に吸収しやすくなってしまいます。
そのため、加える填料の量には細心の注意を払います。

 

p haku4

 

パルプ原料やコーティング剤も使い分ける。

抄紙する薄葉紙は辞書のほか保険の約款や薬の説明書など、さまざまな用途に活用されています。辞書も大人向けと子供用では強度が異なり、大人向けの辞書は薄くなります。薄葉紙はいろいろな用途に利用できるように、20 g/㎡~52g/㎡までいくつかの種類がありますが、薄くなるほど強度を補うために、繊維の長いパルプの比率を高くします。もっとも薄い20 g/㎡はパルプの比率の調整ほかに、不透明度を確保するために填料の配合率などを調整します。 パルプ原料やコーティング剤も使い分ける。
富田 敬太郎 また薄葉紙は中性紙なので、時間がたっても茶色に変色しないという特長を持っていて、薄さや不透明度とともに辞書に最適な紙となっています。紙の種類や用途によってコーティング剤を使い分けていることも薄葉紙の大きな特長です。ある辞書ではページをめくる際のしっとりとした感触を大切にしており、このぬめり感を生み出さすために特別なコーティング剤を使用しています。薄葉紙には、パルプ原料の段階でも抄紙の段階でもさまざまな工夫が加えられ、独特な機能が生み出されているのです。